米Gracenote(旧称:CDDB)は,非商用ソフトウエアの開発者向けに「Gracenote Encode SDK」のベータ版を直ちに利用可能とすると米国時間2月24日,発表した。「MP3のエンコーディング/デコーディング機能と,mp3PROのデコーディング機能を,ライセンス料なしで利用できる初めてのSDK」(Gracenote社)とする。

 Gracenote社は,MP3とmp3PRO技術の開発元であるフランスのThomson Multimediaと提携関係を結んでいる。非商用ソフトウエアの開発者はこのSDKにより,デジタル音楽ファイルの作成と,Gracenote社のサービス「CDDB Music Recognition Service」が利用可能な,mp3ジュークボックスを開発できるようになる。

 CDDBは,音楽CDの著作者名,アルバム名,トラック情報などを自動的に表示するインターネット上のサービス。アルバム180万枚以上の情報が登録されている。開発者はMP3ファイルを作成する際に,ファイルのラベル作成と分類を自動的に行える。現在,8000人以上の非商用ソフトウエア開発者が,このCDDBにアクセスしているという。

 「開発者がCDDBをより簡単に利用するためのツールである。Thomson社と協力することで,MP3エンコーディングを無償で提供するSDKが実現した」(Gracenote社製品管理担当ディレクタのMelani Di Napoli氏)

 なお,同SDKは「Classical Music」インタフェースも備えている。開発者は作曲者名,指揮者,アンサンブルや演奏者といった,クラシック音楽に関する詳細な情報を入手できるという。

 Gracenote Encode SDKの最終版は2003年4月中旬にリリース予定である。

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