英Analysysは,欧州の企業向けデータ・サービス市場に関する調査結果を英国時間2月24日,発表した。それによると,同市場は2003年に2ケタの成長率で拡大するという。

 欧州における企業向けデータ通信サービスの売上高は2002年の360億ユーロ(約389億ドル)から2007年には520億ユーロ(約561億ドル)に増加する。

 「企業では社内全体にわたりIPベースのアプリケーションへの接続を提供する必要が生じているほか,電子メールの量は増大し,リモート・ワーカーが増えている。また,音声とデータの統合ネットワークへ移行しつつあり,ビデオ・サービスの導入も進んでいる。こうした背景が企業向けデータ通信サービスの需要を押し上げている」(Analysys社Margaret Hopkins氏)。

 しかし同氏によると,今後5年間に企業向けデータ通信サービス市場の成長率はゆるやかに減速するという。「2007年まで通信事業者の統合が進み,リース回線,ATM(asynchronous transfer mode),フレーム・リレーなどからIP-VPN,Ethernet,DSLへの移行がさかんになる」(同氏)

 現在の経済状況では,ITや通信マネージャにとってコストを削減することと,予算内で最大限の帯域幅を獲得することが最優先課題である。このため,比較的安価な企業向けデータ・サービスへ段階的に移行する。

 なお,調査対象となったフランス,ドイツ,イタリア,スウェーデン,英国のすべての国でリース回線の利用が減少しており,DSL導入が増加しているが,長期的にはEthernetが企業向けデータ通信サービス市場で優勢となる。

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