米Microsoftが米国時間2月21日に,次期サーバー版Windows「Windows Server 2003」向けの新技術「Windows Rights Management Services(RMS)」について明らかにした。WWWコンテンツや機密性の高い企業ドキュメントへのアクセス権を管理する。ベータ版を2003年第2四半期にリリースする計画である。

 RMSを用いることにより,情報ポータル・サイト,ワープロ,電子メール・クライアントなどのアプリケーションにおいて,ユーザーごとに使用可能なコンテンツを特定し,アクセス権の種類を設定できる。アクセス権とポリシーはサーバー側で管理する。RMS対応アプリケーションを使用するユーザーは,ボタンをクリックしてアクセス権を適用する。

 RMSは,書類を転送,複製,印刷する権利を管理するほか,アクセスできる時間を制限するといった設定が可能。また,プロセスを自動化するテンプレートを配布することにより,一定したポリシーを社内全体に導入することができる。

 RMSは「.NET Framework」をベースにしたASP .NETに対応するため,「Webサービスを介したビジネス・プロセスと統合が容易に行える」(Microsft社)。著作権管理のセキュリティ仕様,XrML(Extensible Rights Markup Language)をサポートする。

 「RMSの強みは,ドキュメントそのものに一貫した保護を適用することにより,故意や事故による情報の漏洩を防止することだ」(Microsoft社Security Business部門バイス・プレジデントのMike Nash氏)

 またMicrosoft社は,Windows対応の社内ソリューションやアプリケーションにアクセス権管理機能を追加するためのソフトウエア開発キット2種類を2003年第2四半期にリリーする予定だという。

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