米Intelが米国時間2月20日に,家庭/SOHO/中小企業向けの新型ネットワーク・プロセサ「Intel IXP420」「同IXP421」「同IXP422」を発表した。「開発者に対し,高性能かつ厳しいコスト制限という条件に対応可能な,データ/音声/セキュリティ機能を組み合わせた選択肢を提供する」(Intel社)という。

 各ネットワーク・プロセサは,Intel社のマイクロアーキテクチャ「XScale」をベースとする。性能面で余裕があり高機能アプリケーション・サービスに対応可能な上,共通アーキテクチャを採用していることから,製品化に必要な期間が短いという。各プロセサの概要は以下の通り。

・Intel IXP422:家庭用のゲートウエイや無線アクセス・ポイント,中小企業向けのルーター/スイッチに適した製品。暗号化機能に対応可能。サンプル品は2003年4月に,製品は同6月に利用可能とする。1万個ロット時の単価は20.90ドル

・Intel IXP421:データ処理に加え,VoIPアプリケーションにも対応可能。サンプル品は2003年4月に,製品は同6月に利用可能とする。1万個ロット時の単価は22.80ドル

・Intel IXP420:外部モデムと組み合わせて使う家庭用ゲートウエイやSOHO向けルーターなど,ブロードバンド接続向け。サンプル品は2003年7月に,製品は同9月に利用可能とする。1万個ロット時の単価は22.30ドル

 なおIntel IXP4XX製品系列のプロセサは,すでに米Linksysが製品に採用しているという。「当社は2002年の秋に,Intel社のIXP425ネットワーク・プロセサを使って製品開発を開始した。IXP422にハードウエア/ソフトウエア互換性があるとわかったので,IXP422が利用できるようになったらすぐに量産を開始できる。これがIntel社製品を利用する大きなメリットである」(Linksys社社長兼CEOのVictor Tsao氏)

 またIntel社は,組み込み用OS「Windows CE .NET」をIntel IXP425に移植する作業を米Microsoftと共同で進めていることも明らかにした。

 「IXP425とWindows CE .NETの組み合わせは,家庭用ゲートウエイやVoIP電話などの小型・高機能な次世代ネットワーク機器を迅速に開発しなければならないOME顧客にとって,魅力的かつ機能豊富なプラットフォームだ」(Microsoft社組み込み&アプリケーション・プラットフォーム・グループ担当ジェネラル・マネージャのTodd Warren氏)

 IXP425対応のWindows CE .NETボードの一般提供は,2003年後半に開始すると見込む。IXP425の1万個ロット時の単価は動作周波数(266MHz/400MHz/533MHz)と動作温度範囲(Commercial:摂氏0度~70度/Extended:摂氏-40度~85度)によって異なり,26.60ドル~61.80ドルとなる。

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