米Handspring社と米Action Engine社は,「Treo」製品ファミリにAction Engine社の無線(OTA:over-the-air)プロビジョニングとデバイス管理ツールを提供する計画を発表した。両社は共同でマーケティングと販売を行う。OTAプロビジョニングとデバイス管理機能対応のTreo製品の出荷に関するスケジュールは,現時点では明らかにされていない。

 両社は,「Treo」製品ラインにAction Engine社のスマート・デバイス向けクライアント・サーバー型ソリューション「Mobile Web Services Platform」の統合を計画をしている。ネットワーク・オペレータは,スマート・デバイスとオペレーティング・システムの機能を活用して,ブラウザを必要としないデータ・アプリケーションの作成,管理,配備が可能になる。両社は,限定されたチャネルにおいて共同でマーケティングと販売を行う。

 Action Engine社のツールは,デバイスの設定,登録,ソフトウエア管理,サービス・プロビジョニング,セキュリティ,無線データ・バックアップ,復元,アプリケーション・ダウンロードなどを格段に簡略にする。これらのツールにより,無線サービス・プロバイダは,ネットワークに配備したデバイスの管理が可能になるととともに,Treoユーザーに新しいデータ管理機能を提供できるようになる。

 調査会社Current Analysisのシニア・アナリストのMichael Ransom氏は「移動体通信事業者は,直感的で使いやすいサービスをスマート・モバイル・デバイス向けに提供する必要がある。Action Engineのアプローチにより,アプリケーションの情報共有が可能になり,通信事業者と開発者にとって魅力のあるアプリケーションの作成とデータ・サービス利用をけん引する新しい可能性が生まれる」としている。

 ちなみにAction Engine社は,「Mobile Web Services Platform」向けSDKをダウンロードにて無償で提供している。開発者は,XMLを使ってスマート・クライアント,スマート・サーバー・アプリケーションを構築できる。開発されたアプリケーションは,Symbian,Microsoft Pocket PC Phone Edition OS,Microsoft Windows Powered Smartphone 2002 OSといったスマート・デバイス用オペレーティング・システムで動作する。

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