米Hewlett-Packard(HP)は,データ・センター向けソリューション「HP Utility Data Center(HP UDC)」の研究/開発/マーケティング/販売に関して,米Cisco Systemsとの関係を強化すると,米国時間2月19日に発表した。これにより両社は,企業やサービス・プロバイダ顧客に対し,Cisco社製ネットワーク機器に最適化したHP UDCを提供する。

 両社は,Cisco社製機器をHP UDCアーキテクチャに組み込むため,技術的な開発作業と相互接続テストで協力する合意を結んだ。同アーキテクチャに組み込む対象には「Cisco Catalyst 6500 Series」スイッチ,「PIX 515 Series」ファイアウオール,「2950」ルーターがあり,「HP Utility Controller」と相互接続する。

 HP社は,「業界トップのHP UDCと,Cisco社の優れたネットワーキング・プラットフォームを組み合わせることで得られる強みにより,顧客はITインフラを迅速かつ効率よく最適化できる」と説明する。

 「HP UDCを導入すると,企業はデータ・センターの効率を2倍,たとえば30%だったものを60%に高めることができる。必要なときに必要な容量を利用できるので,総所有コスト(TCO)削減を実現し,実行中にシステム全体をアプリケーションやドラッグ&ドロップ・リソースに割り当てられる。さらに,システムの変更はすべてシステムに直接触れることなく外部から行える」(HP社)

 また同社は,ユーティリティ・コンピューティングなどにおける成果について具体的な数字を挙げている。主な内容は以下の通り。

・顧客の業務効率改善や特定業務に対するインフラ調整などを実現する目的で,主要技術のライセンスを21万8000本以上を販売

・「HP Superdome」サーバーの90%以上は「HP Serviceguard」および「HP Workload Management」を同梱して出荷し,40%は「HP instant Capacity On Demand(iCOD)」を同梱して出荷

・「HP Temporary iCOD」ソリューションの導入率は,前期に比べ200%増

・「HP OpenView」ソフトウエアを13万5000ライセンス販売

・ブレード・サーバー「HP ProLiant」の出荷台数は1万5000台。「ProLiant Essentials Rapid Deployment Pack」は5万ライセンス販売

・「HP StorageWorks Enterprise Virtual Array」「Continuous Access Storage Appliance」「Virtual Array」など,8000台以上のストレージ仮想化製品を出荷

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