「製造業界で2003年のIT予算割当ての優先度が最も高いのは,セキュリティ関連分野である」。米Dataquestが米国時間2月18日に,米国製造企業のIT予算に関する調査結果を発表した。

 調査は,自動車,ハイテク,工業設備,化学,製薬,食料/飲料,製紙/パルプなどの製造業界のIT意思決定者35名を対象に実施した。

 セキュリティ関連の次に優先度が高かったのは,「ERP(アップグレードや拡張を含む)」。3位に「Webサービス」が続く。

 また調査によると,メーカー各社は連邦政府に対し,ITセキュリティに関してより厳しい法規を設けて欲しいと望んでいる。「政府との大規模な契約を抱える航空や防衛関連などの製造業者にとっては,戦争の脅威も自社ITシステムのセキュリティ強化を推進する要因となるだろう」(Dataquest社ITサービス・グループ上級アナリストのGeraldine Cruz氏)

 製造業界が社内部門と海外取引パートナとの連携を広げるにつれ,セキュリティがより大きな役割を果たしていくと,Dataquest社は予測する。SCMやCRM,Webサービスといった企業アプリケーションや技術の導入で,セキュリティが重視されている。「データの共有や情報のやりとりを実行する前に,製造業者に情報システムのセキュリティを提示すよう求める企業が増えている」(Cruz氏)

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