オーストラリアのSharman Networksは,ピア・ツー・ピア型(P2P)ファイル交換ソフトウエア「Kazaa Media Desktop(KMD)」の最新版「Version 2.1」を米国時間2月13日,リリースした。「Kazaa Showcase」サービスを通じて,著作権が保護された有料コンテンツへの幅広いアクセスを提供する。

 Sharman Networks社CEOのNikki Hemming氏は,「KazaaユーザーがAltnet社の有料コンテンツ検索に高い興味を示しているため,著作権が保護されたファイルを増強し,Kazaa Showcaseの拡充を図った」と説明した。また同氏は「当社はKMDの使い勝手向上に取り組み,“P2P哲学”を推進する」と付け加えた。

 Kazaa ShowcaseはKMD Version 2のリリースと同時に開始した有料コンテンツ・サービス。KMD Version 2.1では,オーディオ,ゲーム,ソフトウエア,ビデオといった専用カテゴリを閲覧し,コンテンツをダウンロードすることが可能。提供コンテンツは毎週更新される。

 KMD Version 2.1の主な特徴は以下の通り。

・スタート・ページを再デザインし,オーディオ・ファイル,コンピュータ・ゲーム,ソフトウエア,ビデオ・コンテンツ,「Kreate」のセクションを設けた。Kreateは,ユーザーが自身のデジタル・コンテンツを作成するためのツールや枠組みを提供するプロジェクトである。

・検索結果の画面では,Altnet社から提供される有料コンテンツをゴールド・アイコンで表示する。

・Altnet社の有料コンテンツからジャズ,フォーク,パンク・ロックといったジャンルの音楽をあらかじめ揃えたプレイリストを提供する。

 またSharman Networks社は,出会い系サイト「AmericanSingles.com」を運営するMatchNet社との提携も明らかにした。MatchNet社はKMDユーザーに有料と無料の個人広告検索サービスを提供する。

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