米Dell Computerは,2003会計年度第4四半期(2002年11月~2003年1月期)と通期(2002年2月~2003年1月)の決算を米国時間2月13日,発表した。2002年11月~2003年1月期の売上高は97億3500万ドルで前年同期の80億6100万ドルから21%増加。純利益は6億300万ドル(1株当たり利益は23セント)で,前年同期の4億5600万ドル(同17セント)と比べて32%の増益となった。

 製品出荷台数は前年同期と比べて25%増加した。中国,フランス,ドイツ,日本の合計出荷台数は,同39%増加。これらの国では,サーバーの出荷台数が同47%伸びた。

 Dell社社長兼COOのKevin Rollins氏は,「Dell社は顧客に価値を提供し続けている。これが,市場シェアを拡大し,業績をあげている要因であり,いかなる状況にあっても素晴らしい成果につながるだろう。我が社は現在成功している戦略を変更するつもりは全くない」と述べた。

 日本を含むアジア太平洋地域では,製品出荷台数が前年同期比42%増加した。サーバーに限ってみた場合,同45%の伸び率である。アメリカズ地域(米国,カナダ,中南米を含んだ地域全体)および米国での製品出荷台数はともに前年同期比26%増加。しかし,Dell社を除いた米国市場は同3%減だった。米国のサーバー出荷台数は同22%増加した。欧州/中東/アフリカ(EMEA)の製品出荷台数は同18%増加した。フランスが同32%増と大幅な伸びをみせた。同地域のサーバー出荷台数は同29%増加し,特にドイツでは46%も急増した。

 通期の売上高は354億400万ドルで前年度比14%増加。純利益は21億2200万ドル(1株当たり利益は80セント)で同19%増加した。

 またRollins氏は,「2004会計年度第1四半期(2003年2月~4月期)の売上高が前年同期比18%増の95億ドル,1株当たり利益が同35%増の23セント」とする見通しを明らかにした。製品出荷台数は前年同期と比べて25%以上増加する見込みである。なお,同時期における業界全体の伸び率は1桁台前半にとどまると予測している。


■総売上高に対する地域別売上高の割合



地域                       02年11月~    02年8月~    01年11月~

                           03年1月期    02年10月期    02年1月期



米大陸                         69%         72%          70%

欧州                           21%         19%          21%

アジア太平洋(日本を含む)     10%          9%           9%



出典:Dell社



■総売上高に対する製品カテゴリ別売上高の割合



カテゴリ                   02年11月~    02年8月~    01年11月~

                           03年1月期    02年10月期    02年1月期



デスクトップ・パソコン          55%         52%         57%

企業向けシステム                19%         20%         18%

ノート・パソコン                26%         28%         25%



出典:Dell社

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【おわびと訂正】
記事掲載当初,第4段落で「米国を除くと同3%減となる。」と記述しましたが,この部分は正しくは「Dell社を除いた米国市場は同3%減だった。」でした(本文は訂正済みです)。おわびして訂正します。