米Infonetics Researchは米国時間2月12日,サービス・プロバイダによるVPNとセキュリティ・サービスへの支出について調査した結果を発表した。それによると,サービス・プロバイダがVPNとセキュリティ・サービス向けネットワーク製品にかける費用は,2007年に北米で9億3100万ドル,欧州で3億8200万ドルに達するという。

 Infonetics Research社エグゼクティブ・ディレクタのJeff Wilson氏は,「2001~2002年にサービス・プロバイダの破綻が続いたため,VPNやセキュリティ・サービスはもちろん,すべての管理型サービスが痛手をこうむった。しかし,この両分野の売上高はほかの分野に比べて早いペースで成長するため,サービス・プロバイダは引き続き,新しいサービスの提供やインフラの構築に注力する見通しだ」と説明した。

 その他の主な調査結果は次の通り。

・VPN CPE(顧客宅内機)やセキュリティ向けCPEに対する支出も増加する

・サービス・プロバイダにセキュリティ分野の優勢企業を尋ねたところで,「米Check Point」(88%),「米Cisco Systems」(71%),「米NetScreen Technologies」(41%)などが挙げられた

・リモート・アクセスVPNで最も利用されているセキュリティ技術はIPSecである。またSSLを利用するプロバイダの数は,2003年~2004年にかけて倍増した

・今後,売上高が増加する見込みの分野として「VPN」を挙げたサービス・プロバイダは83%,「ファイアウォール」が64%。その他には,「侵入検知システム(IDS:Intrusion Detection System)」(59%)や,「統合型サービス」(58%)などが挙げられた

・現在,サイト間(site-to-site)VPNにIPSecを利用しており,来年もIPSecを利用する予定のサービス・プロバイダは94%。しかし,MPLS(Multi Protocol Label Switching)に関心を寄せるプロバイダが増えている。来年,MPLSを利用する予定のプロバイダは,現在の31%から50%へと増加する見込み

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