オンラインでITスキルのテストや認定を行う米Brainbenchが米国時間2月11日,IT分野の給与に関する調査結果を発表した。それによると,2002年の昇給率が0~3%だったITプロフェッショナルは67%で,2001年の52%を大きく上回った。

 Brainbench社の登録ユーザーにアンケートを行い,ITプロフェッショナル6000人以上から回答を得たもの。「2002年は景気減速の影響で昇給率が低下し,とりわけ女性社員の昇給率が悪影響を受けた」(Brainbench社)

 主な調査結果は以下の通り。

・年収が4万ドルを超える社員をみた場合,2002年は男性と同等の給与を得る女性社員の割合が大幅に減少した。また女性の昇給率はすべての年収カテゴリで低下した。2001年に女性の昇給率が最も高かった大企業でも,同様の傾向がみられた

・2003年に昇給を期待する社員も減少している。2003年の昇給率が0~3%だと予測する回答者は42%,3~5%だと予測する回答者は30%だった。2001年は,回答者の過半数が3~8%の昇給率を見込んでいた

・2002年はIT業界全体が景気減速の影響を受けたが,コンピュータ・ハードウエア/ソフトウエア分野の昇給率は業界平均値を上回った

・2002年は,多くの企業が基本給以外の賞与を支払うことを差し控えた。ストック・オプションなど株式ベースの奨励金の提供は,売上高が10億ドル以上の企業で最も多く行われた。売上高が100万ドル未満の企業が僅差で続いた

・資格の有無は今後もITプロフェッショナルの強みとなる。資格保有者の昇給率は,業界の平均昇給率1~3%を上回る可能性が高い

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