米Aether Systemsと米Sun Microsystemsは,企業や政府機関向けモバイル・ソリューションを共同で提供することを目的とし,世界規模の包括的な提携を結んだ。両社が米国時間2月5日に明らかにしたもの。

 Aether社は,無線およびモバイル技術を応用したソリューションを手がけるベンダーである。現在でも両社は,マーケティングや技術業務において協力関係にある。今回の提携はこの関係を一層深めるものである。

 両社が提供するソリューションでは,「Sun Open Net Environment(Sun ONE)」製品と「Aether Fusion」などを組み合わせて提供する。Aether FusionはJava 2 Platform, Enterprise Edition(J2EE)をベースとするソフトウエアで,「Sun ONE Application Server」上で動作する。「実質的にあらゆるワイヤレス/モバイル環境で,重要なデータを安全かつ確実にアクセス可能とする」(Aether社)

 Sun社市場開発部門上級ディレクタのShahram Moradpour氏は,「当社は連邦政府や大企業を得意とするが,Aether社の無線ソリューションにおけるノウハウを利用することで,同ソリューションを未開拓の大きな市場に提供していく」と説明する。両社が対象とする市場は以下の通り。

・モバイル政府/本土防衛:Aether社のアプリケーションである「PacketCluster」と「PocketBlue」を使用することで,法務当局や緊急事態に対処する組織の担当者は,犯罪情報などの重要なデータにリアルタイムで無線でアクセスできるようになる。これらのアプリケーションは,複数の組織やネットワークにまたがる通信や警報送信をリアルタイムに行うこともできる。

・モバイル・オフィス:Aether社の「Attache」により,機器やネットワークの種類を問わず,企業の電子メールやグループウエアにアクセス可能となる。

・モバイル・ロジスティックス:Aether社のアプリケーション「e-Mobile Delivery」を使用すると,同社の無線SCMソリューションの一部機能として,貨物追跡/配送確認が行える。

「当社のプラットフォームをベースとするソリューションにより,顧客はTCOを削減し,生産性を高められるだろう」(Moradpour氏)

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,Aether社企業エンタプライズ・モビリティ・グループ担当社長のGregg Smith氏が,「最初の製品は2003年3月に,そのほかの製品も2003年中にリリースする」と語ったという。

◎関連記事
「Webサービスをモバイルへ広げる」と米サンが表明,各社にAPI提供へ
米SunやIBMなど6社が,J2EEベースのモバイル向けインフラ構築で“スクラム”
英ボーダフォン,米デル/米HP/米IBM/東芝などと提携し企業向けモバイル接続サービスを提供
米IFSと米IBMが次世代モバイル業務ソリューションで提携,J2MEとWebサービスを活用
「企業のモバイル導入,技術だけでなく戦略とポリシーを重視すべき」,英調査
「世界の無線とモバイル・インフラのサービス市場,2006年までに374億2000万ドル規模に成長」,米IDCが分析結果を発表
「米国における無線データ市場,今後5年間で約4倍の160億ドル規模へ」,と米調査
進む米国企業の無線利用,2001年末に従業員の47%が活用へ,小企業では5割突破

[発表資料へ]