米Forrester Researchは,オフショア・プロバイダ(米国外のプロバイダ)が提供するサービスの需要を理解するために米国企業を対象に実施した調査の結果を,米国時間2月4日に発表した。調査は,米国企業の上級意志決定者である145名に対して,インタビュー形式で実施した。

 回答者の3分の1は,オフショア・プロバイダを利用していると答えている。そのうちの88%の回答者は,オフショア・プロバイダのほうが,米Accenture社,米EDS社,米IBM社,米KPMG/BearingPoint社といった米国の競合企業と比べて,費用対効果に多少あるいは非常に優れていると評価した。

 既にオフショア・プロバイダを利用している企業は,今後さらに利用範囲を拡大する計画があると答える。

 「費用対効果が優れることに加え,サービスの品質が高いこと,および期限を守ることにおいて,それぞれ回答者の71%,67%は,オフショア・プロバイダのほうが米企業よりもある程度,または非常に優れていると評価している」(同社のグループ・ディレクタのJohn C. McCarthy氏)

 「オフショア・サービスでは,労働経費の低さが長所となっているが,以前からオフショア・プロバイダを利用している企業は,オフショア・プロバイダの生産性の高さに起因する,長期的なコスト・メリットについても認識している。さらに,オフショア・プロバイダは,厳密なIT開発プロセスを遵守することにより,従来のITサービス・プロバイダとの差を広げている」(同氏)

 以上のように,オフショア・プロバイダを選択する利点は複数ある。しかしながら,プロバイダが遠隔地に存在するために,その管理が困難であるという欠点もある。オフショア・プロバイダを利用している回答者の18%は,仕事の実施状況の把握が最も大きな課題であるとしている。そして回答者の20%が,現在最も優先順位が高い仕事を指示することが非常に困難であるとしている。また,同じく回答者の20%が,米国従業員との文化的なギャップによって発生する問題に頭を痛めている。

 同社によると,これらの問題を克服するためには,オフショア・プロバイダを管理するチームが必要であるとしている。

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