米EMCが米国時間2月3日,ラックマウント型ストレージ・システム「Symmetrix DMX800」を発表した。同日発表したハイエンド・ストレージ・システム「Symmetrix DMX」シリーズの一つである。

 Symmetrix DMXはモジュラ構造をとり,EMC社の特許技術「Direct Matrix Architecture」を備える。

 Symmetrix DMX800は従来の「Symmetrix」製品で提供している技術性能とソフトウエア機能をすべて装備する。また,コスト効率の面でも従来よりすぐれているという。例えば,「実質容量7.2Tバイト構成のSymmetrix DMX800の場合,同容量の『Symmetrix 8530』と比べて性能は3倍高く,価格は30%安い」(EMC社)。

 ユーザーは,Symmetrix DMX800を主要ストレージとしてだけでなく,中央ストレージ・ネットワークに遠隔接続したエッジ・デバイスとして利用できる。複数のSymmetrix DMX800を各地域のデータ収集ポイントに設置し,本社の「Symmetrix DMX2000」システムにバックアップ・データを記録して毎日更新するといった使用が可能。

 Symmetrix DMX800の記録容量は1.2T~17.5Tバイト(実質容量1T~15.3Tバイト)。2GビットのFibre Channelポートを32基(前面に16基,背面に16基)備える。キャッシュ容量は最大32Gバイト。

 Symmetrix DMXシリーズは,同社の「CLARiiON」ファミリと組み合わせることにより,「さまざまなサービス・レベルに応じたシステムを構築できる」(EMC社)。EMC社はCLARiiONのローエンド・モデル(「CLARiiON CX200」)からSymmetrix DMXの最上位モデル(Symmetrix DMX2000)まですべてに同様の物理ディスクを使用している。例えばSymmetrix DMX800と「CLARiiON CX600」は同じアレイ筐体なので,ディスク装置をそのまま利用してコントローラを替えれば,CLARiiONからSymmetrixに移行できる。

 Symmetrix DMX800は直ちに入手可能になる。価格は構成により異なり,40万9000~93万1000ドル。

◎関連記事
米EMCがネットワーク・ストレージ製品をミッドレンジとロウエンド市場に拡張
米HPが複数ベンダー製のストレージ管理を容易にする新製品とアップグレードを発表
米デルと米EMCがストレージ“CLARiiON”を共通ブランドに,数十億ドルの契約
米IBMと日立の合弁HDD会社が始動。4Gバイト「Microdrive」など新製品を発表
2002年Q3の世界ディスク・ストレージ・システム市場は前期比3%減の47億ドル規模
「大容量データが保存可能な民生電子機器が人気,HDD業界の二次市場として拡大」,と米調査
「SAN業界のビジネス・チャンスは相互運用性とIPベースにあり」,米調査から

[発表資料へ]