英Sophosが米国時間2月3日に,2003年1月におけるコンピュータ・ウイルスの被害状況に関する調査結果を発表した。今月初登場の「Avril-A」とその亜種「Avril-B」が,全体の約30%を占めた。また3位の「Klez-H」は12カ月連続でワースト10にランクインしており,被害が長期化している。
■2003年1月のウイルス被害ワースト10 1. W32/Avril-B (Avril variant) 16.8% 初ランクイン 2. W32/Avril-A (Avril worm) 12.4% 初ランクイン 3. W32/Klez-H (Klez variant) 12.1% 12カ月連続でランクイン 4. W32/Sobig-A (Sobig worm) 6.1% 初ランクイン 5. W32/Yaha-K (Yaha variant) 5.7% 初ランクイン 6. W32/Bugbear-A (Bugbear worm) 5.6% 7. W32/Yaha-E (Yaha variant) 3.3% 8. W32/ElKern-C (Elkern) 2.1% 9. W95/Spaces (Spaces virus) 1.5% 10.W32/Flcss (Funlove) 1.2% その他 33.2% 出典:Sophos社
「今月初めてランクインしたその他のウイルスとして『Yaha-K』と『Sobig』がある。また,新たに登場した『SQL Slammer』は,6カ月前に検出されたセキュリティ・ホールを悪用している。最新のパッチを適用する重要性を,改めてユーザーに指摘したい」(Sophos社技術コンサルタントのChris Wraight氏)
なおSophos社は,2002年1月に新種ウイルスを521種類検出した。現在,同社製品が防御できるウイルスは7万9538種類という。
また同社は,2003年1月における偽情報のワースト10も発表した。
■ 2003年1月の偽情報ワースト10 1. JDBGMGR 19.7% 9カ月連続でワースト1 2. WTC Survivor 12.2% 3. Budweiser frogs screensaver 8.1% 4. Meninas da Playboy 7.8% 5. Bonsai kitten 5.8% 6. Hotmail hoax 4.5% 7. Applebees Gift Certificate 3.7% 8. A virtual card for you 3.0% 9. Bill Gates fortune 2.5% 10. Elf Bowling 2.1% その他 30.5% 出典:Sophos社
1位の「JDBGMGR」は,コンピュータから「jdbgmgr.exe」というファイルを削除しないとウイルスに感染するというデマ情報である。Wraight氏は,「JDBGMGRに関する偽情報が相変わらず流布している。この電子メールを受け取ったユーザーは,迷うことなく削除すべきだ」と警告した。
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