スウェーデンのEricssonが現地時間2月3日に,2002年第4四半期の決算を発表した。売上高は367億クローナ(約42億8000万ドル)で,前期と比べて10%増加,前年同期からは37%の減収となった。純損失は83億クローナ(約9億7000万ドル)で,前年同期の35億クローナ(約4億1000万ドル)から大幅に赤字を拡大した。希薄化後の1株当たり損失は0.58クローナ(約0.07ドル)。前年同期の希薄化後の1株当たり損失は0.31クローナ(約0.04ドル)だった。

 「GSM/WCDMAの売上高は前期に引き続き増加した。また,前期に不振だったEMEA(欧州/中東/アフリカ)の受注が大幅に持ち直した」(Ericsson社社長兼CEOのKurt Hellstrom氏)

 システムの売上高は332億クローナ(約38億7000万ドル)で,前期から増加したものの,前年同期と比べて34%減少した。EMEA地域と北米は前期より成長したが,中南米とアジア太平洋地域は若干減少した。

 GSM/WCDMAモバイル・システムは受注額が前期比51%増加,売上高が同4%成長した。マルチサービス・ネットワークは受注額が同9%増加,売上高は同28%増加。

 ソニーとの合弁企業Sony Ericsson Mobile Communicationsは,第4四半期に710万台(前期比42%増)の携帯電話機を出荷した。

 第4四半期に計上したリストラ関連費用は63億クローナ(約7億4000万ドル)。Ericsson社は第4四半期に7100人の従業員削減を実施しており,2002年末時点の総従業員数は6万4600人となった。同社は,年間運営費を現在の510億クローナ(約59億5000万ドル)から,2003年第4四半期には380億クローナ(約44億3000万ドル)までおさえることを目的とし,2003年末までに総従業員数を6万人以下に削減する計画である。

 2002年通期の売上高は1458億クローナ(約170億1000万ドル)で,前年比31%減少。純損失は190億クローナ(約22億2000万ドル)となり,前年の213億クローナ(約24億9000万ドル)から赤字を縮小した。希薄化後の1株当たり損失は1.51クローナ(約0.18ドル)。前年の1株当たり損失は1.94クローナ(約0.23ドル)だった。

 同社は,「2003年の黒字回復を目指し,コスト削減策を進め,厳しい市場に対応するよう努める」としている。

 なお同社によると,世界の携帯電話加入者は合計11億人を超えるという。第4四半期の新規加入者は約5100万人で,2002年通期の新規加入者は推定で約1億9000万人。2003年は新たに1億6500~1億8000万人が加入し,3年以内に合計加入者数が15億人を超える見込みだという。

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