Webサービスの普及促進を図る業界団体WS-I(Web Services Interoperability Organization)は,Webサービスの技術アーキテクチャ,事例,利用法など一連のドキュメントを発表した。

 これらのドキュメントは,簡単なサプライ・チェーン管理アプリケーションをモデルとしており,「WS-I Basic Profile 1.0」のすべてのシナリオのデモを行うもの。Basic Profileに準拠するWebサービス・アプリケーションの設計,実装,配備方法を示す。「Candidate Review Drafts」は,Webサービス・コミュニティに技術的フィードバックを提供することを目的としている。2003年第2四半期に「Basic Profile 1.0」の最終版のリリースに向けて重要なマイルストーンとなる。

 「『Candidate Review Drafts』の出版は,WS-Iと160を越えるメンバー企業の関係がさらに前進したことを示す。『Sample Application Technical Architecture』『Use Cases』『Scenarios』は,『Basic Profile 1.0』を使った最善事例の定義に役立ち,実社会における実装のガイドとWebサービスを配備する顧客に必要なサポートを提供する」(WS-IのSample Applications Working GroupのTony Roby氏)

 「Sample Application Technical Architecture」は,簡単なサプライ・チェーン管理アプリケーションの設計と実装の詳細を記述している。これは,「Basic Profile 1.0」で見られるさまざまな側面をできるだけ調査することにある。最終的に,Basic Profileに準拠するいくつかのスキーマ・ネーミング規約,SOAPメッセージ・フォーマット,SOAPメッセージ・スタイル,WSL設計を実装する。

 「WS-I Use Cases」ドキュメントは,サンプル・アプリケーションの中で,利用者間(小売業者,卸売業者,製造業者など)におけるハイレベルなインタラクションを説明することによってビジネス要件を捉えている。

 「WS-I Usage Scenarios」は,「Use Cases」を技術要件のセットへと移行させており,構成的インタラクションにおけるWebサービスの一般的メッセージのパターンの定義付け,基礎的な相互運用性の要件の確認を行い,シナリオの流れをBasic Profile 1.0の要件に対応させる。WS-Iは,「Candidate Review Draft of the Usage Scenarios」に関するコメントを求めている。これらドキュメントの承認を受けた公開1.0バージョンは,Basic Profile 1.0とともに第2四半期にリリースされる予定。

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