米RambusとドイツのInfineon Technologies AGとのあいだで争っている特許侵害訴訟について,米国の連邦巡回控訴裁判所は「Rambus社による不正行為の事実はない」とする判決を下した。Rambus社が米国時間1月29日に明らかにしたもの。

 Infineon社は,Rambus社が半導体技術標準推進団体JEDECのメモリー・チップ設計特許を不正に使用したと主張。Rambus社は,バージニア州連邦地裁における一審で敗訴し350万ドルの罰金支払いを命令を受けた。その後Rambus社は,これを不服として控訴していた。

 今回の判決では,一審判決を覆してRambus社の所有する特許のクレーム範囲を認め,同社がJEDECの規定を守っていると結論付けた。具体的には,「Rambus社はSDRAMおよびDDR SDRAMを不正使用していない」と認定したもの。

 さらに裁判所は,「Rambus社の特許内にある“集積回路”“バス”“読み出し要求”という用語は一般的な意味で使われている」と判断した。

 Rambus社上級副社長兼顧問弁護士のJohn Danforthは,「この判決は当社だけに関係するものではない」と述べる。「裁判所は,標準仕様策定と知的財産に関するさまざまな問題を明るみに出した。巡回控訴裁判所が徹底的にこうした問題の明確化を行ったことは注目に値する」(同氏)

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