米Amazon.comは2002年第4四半期と通年の決算を米国時間1月23日,発表した。第4四半期の売上高は14億2900万ドルで,前年同期の11億1500万ドルに比べ28%の増収。純利益は300万ドル(1株当たり利益は1セント)。前年同期の純利益は500万ドル(1株当たり利益は1セント)だった。

 一時的な費用を除いた場合の純利益は7500万ドル(1株当たり利益は19セント)で,前年同期の3500万ドル(1株当たり利益は9セント)に比べ4000万ドル以上増加した。

 営業利益は7100万ドル(売上高の5%)で,前年同期は1500万ドルだった。一時的な費用を除いた場合の営業利益は1億200万ドル(売上高の7%)。前年同期の5900万ドルに比べ74%増えた。

 2002年通年の売上高は39億3300万ドルで,同社にとって最高記録という。前年の売上高31億2200万ドルに比べると26%増。純損失は1億4900万ドル(1株当たり損失は39セント)で,前年の純損失5億6700万ドル(1株当たり損失は1ドル56セント)に比べ赤字の幅が小さくなった。一時的な費用を除いた場合の利益は6600万ドル(1株当たり利益は17セント)で,同条件だと前年は損失1億5700万ドル(1株当たり損失は43セント)だった。

 営業利益は6400万ドル(売上高の2%)で,前年は営業損失4億1200万ドルだった。一時的な費用を除いた場合の営業利益は1億8000万ドル(売上高の5%)で,前年の2億2500万ドルより増加した。

 そのほかの第4四半期および通年の主な業績は以下の通り。

・ワールドワイド部門が前年に比べ34%拡大した。

・英国,ドイツ,フランス,日本といった海外事業の売上高は,第4四半期が4億6100万ドル(前年同期比76%増),通年が11億6900万ドル。第4四半期の一時的な費用を除いた営業利益は2000万ドル(売上高の4%)で,2002年の水準にほぼ戻った。

・第4四半期の書籍,音楽,DVD/ビデオ部門の売上高は6億600万ドル(前年同期比13%増)。一時的な費用を除いた営業利益は7300万ドル(前年同期比14%増)。

・第4四半期のエレクトロニクス,工具,台所用品部門の売上高は2億6200万ドル(前年同期比21%増)。一時的な費用を除いた営業損失は1000万ドル(前年同期比52%減)。

2002年11月に取り扱いを開始したアパレル,アクセサリ関連は,最初の60日間で最も成長が著しい部門となった。

・サードパーティ販売店取引の第4四半期の業績は,全世界のうち21%を占めるまで拡大した。前年同期は16%だった。

・在庫回転率は前年に比べ22%向上した。

 「この18カ月間に値下げを5回行ったが,それに加え,25ドル以上の注文を対象とする送料無料サービス『Free Super Saver Shipping』を継続的に提供することにした。顧客が当社で買い物をしてくれる理由は,低価格であると同時に品揃え豊富で便利なこともある」(Amazon.com社創設者兼CEOのJeff Bezos氏)

 また同社は,今後の業績見通しについても明らかにした。それによると,2003年第1四半期の売上高は10億2500万ドル~10億7500万ドル(前年同期比21%~27%増),一時的な費用を除いた場合の利益は500万ドル~2000万ドル(1株当たり利益は1セント~5セント)の範囲になると見込む。2003年通年では,売上高は前年比15%増,一時的な費用を除いた場合の利益は1億1500万ドル(1株当たり利益は27セント)以上になると予測する。

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