米EMCが米国時間1月23日に,2002年第4四半期と2002年通期の決算を発表した。第4四半期の売上高は14億9000万ドル。前期の12億6000万ドルに比べ18%増加したが,前年同期の15億1000ドルからは2%の減収となった。GAAP(会計原則)ベースの純損失は6400万ドル(1株当たり損失は3セント)で,前年同期の純損失は7000万ドル(1株当たり損失は3セント)だった。

 一時的な費用を除いた場合,第4四半期の純利益は5300万ドル(1株当たり利益は2セント)となる。

 当期は,中規模向け「CLARiiON」製品の売上高が前期比2ケタ増,情報ストレージ・ソフトウエア部門の売上高が前期比22%増など,複数の戦略的分野で業務が好調だったという。

 2002年通期の売上高は54億4000万ドルで,前年は70億9000万ドルだった。GAAPベースの純損失は1億1900万ドル(1株当たり損失は5セント)で,前年は5億800万ドル(1株当たり損失は23セント)だった。

 「当社の自動ネットワーク対応ストレージ戦略が軌道に乗り始めたことで,2002年は非常に良い結果を残せた。情報ストレージ関連のシステム/ソフトウエア/サービスといった主力事業で前期比2ケタ台の増収となった。特に中規模ストレージとストレージ・ソフトウエアの分野で市場シェアを伸ばした」(EMC社社長兼CEOのJoe Tucci氏)

 同社は,今後の業績見通しについても明らかにした。主な内容は以下の通り。

・2003年第1四半期の売上高は13億5000万ドル~14億ドルの範囲

・リストラ関連費用を除いた場合,希薄化後の1株当たり利益は最大で1セント

・リストラ関連費用を除いた場合,2003年の全四半期で純利益を確保

 また,全社的なコスト構造の改善が効果を上げ,2003年第2四半期末には採算水準が13億ドルを下回ると見込んでいる。

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