米AT&Tは,2002年第4四半期と2002年通期の決算を米国時間1月23日,発表した。2002年第4四半期の売上高は,93億ドルで前年同期と比べて8.6%減少した。長距離通話サービスが大幅に減少したが,地域通話サービスやデータ/IP/管理サービスが好調だったため,一部の落ち込みを相殺した。継続事業による希薄化後の1株当たり損失は79セント。これには,中南米事業AT&T Latin Americaへの投資に関する資産損失をはじめ,リストラ費用,DSL関連の資産損失などが含まれる。

 AT&T Broadband事業売却に関連する非継続事業を合わせると,希薄化後の1株当たり利益は66セントとなる。

 「地域通話とデータ事業が引き続き成長した。顧客のニーズに応え,株主への価値回復を図り,財務統制を維持しながら2003年の事業を進める」(AT&T社会長兼CEOのDavid W. Dorman氏)

 事業別でみると,AT&T Businessの売上高が66億ドルで前年同期比3.0%減少。長距離通話による収入は同10%減少した。地域通話の収入は同25%増。データ/IP/管理サービスは同3%増加した。AT&T Consumerの売上高は27億ドルで,同20.0%減少した。

 2002年通期の売上高は378億ドルで前年から10.4%減少した。継続事業による希薄化後の1株当たり利益は1ドル12セント。非継続事業を合わせた希薄化後の1株当たり損失は17ドル8セントとなる。

 事業別売上高は,AT&T Businessが266億ドル(前年比4.1%減),AT&T Consumerが115億ドル(同22.3%減)だった。

 同社は,「企業向けサービス市場には大幅に回復する兆しがみられない。そのため,電気通信業界全体の支出は2003年も縮小するだろう」としながらも,市場シェアの確保を期待し,2003年の前年比減収率は2002年より小さい範囲にとどまると予測。また,2003年第1四半期の希薄化後の1株当たり利益を50~55セントと見込んでいる。

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