米Macromediaが米国時間1月22日に,2002年10~12月期(2003会計年度第3四半期)の決算を発表した。売上高は8260万ドルで,前年同期の7330万ドルから増収となった。純利益は1080万ドル(希薄化後の1株当たり利益は18セント)で,前年同期の純損失4290万ドル(希薄化後の1株当たり損失は74セント)から黒字に転換した。

 一時的な費用を除いた純利益は,860万ドル(希薄化後の1株当たり利益は14セント)を計上した。前年同期は,1000万ドルの純損失(希薄化後の1株当たり損失は17セント)だった。

 「将来については楽観的だ。今後もすばらしいインターネット体験を容易に構築できる製品を,WWW開発者のためだけでなく,あらゆる人々に提供していく」(Macromedia社会長兼CEOのRob Burgess氏)

 Macromedia社によると,2002年10~12月期は,デザイン/開発ソフトウエア,情報取得支援ソフトウエア,モバイルおよびデバイス用ソフトウエアの3分野に進展がみられたという。デザイン/開発ソフトウエアでは,「Studio MX」が売り上げ成長に貢献した。新設した情報取得支援部門では,12月に第1弾製品のWWWパブリッシング・ツール「Contribute」を発売した。また,1月16日にオンライン・プレゼンテーション/eラーニング・ソフト開発の米Presediaを買収した。モバイルおよびデバイス用ソフトウエアでは,「Macromedia Flash Player」が好調だった。なお,Flash Playerを組み込んだソニーの「CLIE NX」シリーズが当期に発売を開始した。

 同社は,2003年1~3月期(2003会計年度第4四半期)の売上高が8000万~8500万ドルの範囲になると予測している。一時的な費用を除いた営業利益率は8~12%。新製品への投資と宣伝に注力するため,前期よりも支出が増えると予測する。また,2003会計年度通期(2003年3月31日締め)は,売上高が3億3200万~3億3700万ドル,一時的な費用を除いた営業利益率は6~8%になる見込み。

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