米Borland Softwareは米国時間1月21日に,J2EE(Java 2 Platform, Enterprise Editon)アプリケーション・サーバーの新版「Borland Enterprise Server 5.2」を発表した。「Borland Enterprise Server 5.2により,開発者は生産性を向上でき,ビジネス・クリティカルなアプリケーションの性能改善と製品開発期間の短縮が可能となる」(Borland社)

 Borland社エンタプライズ・ソリューションズ・グループ担当副社長兼ジェネラル・マネージャのBoz Elloy氏は,「Borland Enterprise Server 5.2で,優れた拡張性/信頼性/動作性能を提供する当社の取り組みを具現化する」と述べる。

 「Java開発ツール『Borland JBuilder 8』と密に組み合わせることで,アプリケーションの製品開発を高速化する上,既存アプリケーションの拡張や統合においても高い柔軟性を得られる。その結果,アプリケーション開発のライフサイクル全体を迅速化し,既存資産を無駄にしない」(同氏)

 またBorland社によると,Borland Enterprise Server 5.2の新機能は,開発者の生産性向上とアプリケーションの性能改善が中心という。その主な内容は以下の通り。

・Borland JBuilder 8との統合強化により,開発/導入サイクルを迅速化する

・「Java Development Kit 1.4.1」に対応したことで,Javaアプリケーションの拡張性/性能を改善する

・IPv6に対応し,次世代TCP/IPネットワーク上での導入が可能になる

・メッセージングにネイティブ対応したことで,CORBAに対応していないアプリケーションとの統合を容易にする

・プロセス利用状況のアクセス/報告機能を強化し,開発者やIT管理者の行うアプリケーション性能の最適化作業を支援する

 Borland Enterprise Server 5.2は現在Windows/Solaris/Red Hat Linuxプラットフォームに対応しており,「Web Edition」「VisiBroker Edition」「AppServer Edition」の3種類が利用可能。AppServer Editionの開発ライセンスは,「Borland JBuilder, Enterprise Edition」とともに出荷する。

 またBorland社は同日,J2EEプラットフォーム用アプリケーションの試験作業を全体的に改善するためのソリューション「Borland Optimizeit ServerTrace」を発表した。同社のパフォーマンス・ソリューション「Borland Optimizeit」のカバー範囲を,開発作業から試験/販売の段階にまで拡張するものという。

 「Borland Optimizeit ServerTraceを使うと,J2EEシステムのパフォーマンス問題が実際の業務運営に影響をおよぼす前に,特定/予測/解決できる。企業は迅速な製品化や,信頼性に優れ高性能なJ2EEシステムの提供が可能となる。その上顧客の期待にも応えられる」(Borland社副社長兼ジェネラル・マネージャのTony de la Lama氏)

 Borland Optimizeit ServerTraceの詳細については,Borland社のWebサイトに掲載している。

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[発表資料(Borland Enterprise Server 5.2)]
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