米IBMは米国時間1月16日,2002年第4四半期と2002年通年の決算を発表した。2002年第4四半期の継続事業による売上高は237億ドルで,前年同期の221億ドルと比べて7%(為替差損を含まない場合は4%)増加した。一時的な費用4億500万ドルを含めた継続事業による純利益は19億ドルで,前年同期の26億ドルから大幅に減少した。

 一時的な費用を含めた希薄化後の1株当たり利益は1ドル11セント。前年同期における同条件の1株当たり利益は1ドル46セントだった。

 2002年第4四半期の粗利率は38.8%で,前年同期の40.3%から1.5ポイント減少した。

 IBM社会長兼CEOのSamuel J. Palmisano氏は,「厳しい景気後退の中,我が社は引き続き中核事業で市場シェアを拡大し,好調な四半期で1年を締めくくることができた。e-businessに向けた『オンデマンド』戦略も効果をあげている」と述べた。

 2002年第4四半期の売上高を地域別でみた場合,米大陸は103億ドルで,前年同期と比べて5%(為替差損を含まない場合は7%)増加した。欧州/中東/アフリカは78億ドルで,前年同期比13%(同1%)増加。アジア太平洋地域は前年同期比7%(同4%)増の48億ドルに達した。OEMによる収入は8億2800万ドルで,前年同期から11%(同11%)減少した。

 メンテナンス事業を含むGlobal Services部門の売上高は,前年同期比17%(為替差損を含まない場合は13%)増の106億ドル。米PricewaterhouseCoopers(PwC)のコンサルティング部門買収が成長を後押しした。なお,IBM社が第4四半期に獲得したサービス契約の総額は180億ドルを上まわった。

 継続事業によるハードウエア収入は前年同期比1%増(為替差損を含まない場合は1%減)の81億ドル。ソフトウエア収入は38億ドルで,前年同期と比べて横這い(為替差損を含まない場合は2%減)となった。

 2002年通年の継続事業による売上高は812億ドルで,前年の831億ドルから2%(為替差損を含まない場合は3%)の減収となった。継続事業による純利益は53億ドル(希薄化後の1株当たり利益は3ドル7セント)で,前年の81億ドル(同4ドル59セント)から大幅に減少した。

 地域別の売上高は,米大陸が364億ドルで,前年と比べて3%(為替差損を含まない場合は1%)減少。欧州/中東/アフリカは243億ドルで,前年比1%増加(同4%減少)。アジア太平洋地域は172億ドルで前年と比べて横這い(同横這い)。OEMによる収入は,前年比24%(同24%)減の33億ドルだった。

 Global Services部門の売上高は前年比4%(為替差損を含まない場合は3%)増の364億ドル。ハードウエアによる収入は前年比10%(同11%)減の275億ドル。ソフトウエアによる収入は131億ドルで,前年と比べて1%の増加(同横這い)となった。

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