米Intelが米国時間1月15日に,Linuxアプリケーション用のパフォーマンス解析ツール「Intel VTune Performance Analyzer 1.0 for Linux」を発表した。Intel社では,「Linuxベースのアプリケーションの解析/最適化を行い,Pentium 4またはXeonプロセサの性能を最大限引き出せる」としている。
これまでLinuxアプリケーションを最適化するには,同ツールのWindows版「Intel VTune Performance Analyzer 6.1」を使用してリモート解析を行う必要があったという。Intel社がLinux版をリリースすることで,Linux上で直接最適化作業を行うことが可能となる。
Intel VTune Performance Analyzerはアプリケーションを解析し,プロセサのリソースを大量に消費するコードを検出できるという。「コード内の特定部分に注目することで,パフォーマンスのボトルネックになりそうなコードの発見と除去がすばやく行える。その結果,アプリケーションの製品化に必要な期間を短縮できる」(Intel社)
さらにコマンド・ライン・インタフェース,スクリプト実行機能,これまでWindowsベース・アプリケーション専用だったフロー制御分析など,柔軟で便利なLinuxユーザー向け機能を備えている。
Intel VTune Performance Analyzer 1.0 for Linuxは,2003年2月発売の予定。予想価格は699ドル。
なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,Intel VTune Performance AnalyzerのWindows版はItaniumプロセサ上で動作するソフトウエアの解析が可能だが,Linux版は対応していないという。「Linux版でItanimuをサポートするのは2003年後半」(Intel社スポークスマンのScott McLaughlin氏)
またIntel社は同日,Intel VTune Performance Analyzer用のオープン・ソース・ドライバ・キット「Intel VTune Performance Analyzer Driver Kit」についても明らかにした。同キットを使用することで,同社が対応していないLinuxディストリビューションやユーザーが改造したカーネルでも,Intel VTune Performance Analyzerの利用が可能になるという。
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