フィンランドのNokiaは,Linuxコミュニティに向けてJava対応端末のアプリケーション開発ツールキットのLinuxバージョン「Nokia Developer's Suite for J2ME, Version 1.1」を現地時間1月14日,発表した。同スイートは,開発者にダウンロード可能なJ2MEアプリケーションを作成,テスト,配備するツールを提供する。

 「Nokia Developer's Suite for J2ME 1.1」は,MIDP(Mobile Information Device Profile)アプリケーションの開発をサポートする。スタンドアロン環境で効率的なMIDP開発を可能にするとともに,BorlandやSunが提供する既存の統合開発環境(IDE)と統合させることができる。すべてのNokia MIDPソフトウエア開発キット(SDK)と互換性を持ち,自動化されたコード生成ツール,アーカイブ・ビルダーを提供する。

 IT開発市場の調査を手がけるEvans Dataによれば,北米の開発者の14%がメインの開発ホストとしてLinuxの使用を予定している。2002年には8%だった。世界全体でみると,無線開発者の12%が主にLinux環境で開発しているという。

 Linuxバージョンの発表と同時に,同社は同スイートの機能強化も発表した。新版ではオーディオ・コンバータを提供する。これは,MIDIファイルをNokiaの着信音ファイルに変換,またはソース・コードを直接生成する。また,テスティングと開発を目的として行う, WebサーバーへのJavaアプリケーションのアップロードを自動化するツールも提供する。これらの機能強化は,LinuxとWindowsの両方のバージョンで提供される。

 同ツールは,LinuxとWindowsバージョンが用意されており,Forum Nokiaから無償でダウンロードできる。

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