富士通,日立製作所,NEC,米Oracle,米Sonic Software,米Sun Microsystemsの6社は,Webサービスにおけるメッセージ交換の信頼性向上を図る仕様「Web Services Reliability(WS-Reliability)」のワーキング・ドラフト版を公開した。各社が米国時間1月9日に明らかにしたもの。

 各社は「WS-Reliabilityで原理的により信頼性の高い転送インフラを提供する」と説明する。「その結果,Webサービスの導入を加速し,Webサービスはさまざまなエンタプライズ・アプリケーションや統合作業において重要な仕組みとなるだろう」(各社)

 WS-Reliabilityは,Webサービスを利用する際のメッセージ交換を確実化するためのオープンな仕様。SOAPを拡張してメッセージの配信保証/重複回避/順番保護などの機能を持たせ,Webサービス間で行う通信の信頼性を向上するという。「プラットフォームやベンダーに依存せず,さまざまなシステムが確実に相互接続できるようになる」(各社)

 なおWS-Reliability仕様作成に関わった各社は,ある標準化組織にロイヤルティ・フリーで同仕様を提出するとしている。ただし,具体的な組織名は明らかにしていない。

 同仕様公開に際し,各社が寄せた主なコメントは以下の通り。

・「Webサービスの普及には,信頼性が欠かせない。WS-Reliabilityは,企業顧客のWebサービスに対する期待に確実に応えられるだろう」(日立製作所ソフトウエア事業部事業部長の小塚潔氏)

・「オープンな標準仕様による信頼性は,Webサービスを現実世界の業務の要求に合致させるのに必要不可欠だ」(Oracle社標準戦略&アーキテクチャ担当副社長のDon Deutsch氏)

 なおWS-Reliabilityの仕様書のワーキング・ドラフト版は,以下のWebサイトからロイヤルティ・フリーで入手できる。

・富士通:http://xml.fujitsu.com/en/about/ws_r.html
・日立:http://www.hitachi.co.jp/soft/wsrm/
・NEC:http://www.nec.co.jp/press/ja/0301/WS-ReliabilityV1.0Public.zip
・Oracle社:http://otn.oracle.com/tech/webservices/htdocs/spec/ws-reliability.html
・Sonic Software社:http://www.sonicsoftware.com/wsreliability
・Sun社:http://sunonedev.sun.com/platform/technologies/technologies_mv.html

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