米IBMは,企業向けにスーパーコンピューティングの処理能力のをオンデマンドで提供するサービスを米国時間1月9日に発表した。同サービスは,スーパーコンピュータの処理能力を必要とするが,スーパーコンピュータを所有する固定費用や責任の負担を望まない企業をターゲットとしている。

 顧客は,POWERまたはIntelプロセサをベースとするスーパーコンピュータ・クラスタを購入するか,これらのシステムにオンデマンドでアクセスする選択肢が与えられる。後者の場合には,必要なキャパシティと使用時間に基づき処理能力に対して料金を支払う。

 「分野によっては,顧客が大規模なコンピューティング能力を短時間しか必要としない。同サービスは,事業のあり方を変化させる。オンデマンドでコンピューティング能力を購入できるため,顧客はサーバーのメインテナンス,管理から開放され,事業の需要に応じて迅速にインフラの拡張が可能となる」(同社LinuxクラスタとGridソリューション部門副社長のDavid Turek氏)

 同社は,POWERとIntelプロセサをベースとするスーパーコンピュータ・グリッドを構築して,この新しいeビジネス・オンデマンド製品を提供する。グリッドは,単一のフレームに128基のPOWER4プロセサの格納が可能なUNIXを搭載する数百台の「IBM eServer p655」と,Intel Xeonプロセサを搭載するラックマウント型のLinuxサーバー「IBM eServer x335」と「同x345」システムで提供する。最初のIBMスーパーコンピューティング・ホスティング設備は,ニューヨークをベースを置く。後に国内外に設備を拡張する予定。

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