英MessageLabsはYahaウイルスの名称を変更した。MessageLabs社が米国時間1月2日に明らかにしたもの。

 MessageLabs社によると,Yahaは2002年に大きな被害を与えたウイルスで,2002年における検出件数は約200万件に達しワースト2であった。ちなみにワースト1はKlezで,500万件以上検出されたという(関連記事)。

 同社では,「発生当初同ウイルスは,圧縮された状態で少なくとも3種類が広まり,各版のあいだには多少の違いがあった」と説明する。そこで同社は,これらに「Yaha.J」「Yaha.K」「Yaha.L」と命名した。その後,各版は非常に似通ったウイルスであることが判明したため,同社はほかのウイルス・ベンダーにならってすべてを同じ名称「Yaha.J」に改名していた。

 しかし,「アンチ・ウイルス製品のなかには,これら3種類のウイルスを区別できないものもある」(MessageLabs社)。そのため同社は改めて異なる名称を割り当てたという。同社による各ウイルスの名称は以下の通り(括弧内は同社が最初に付けた名称)。

・W32/Yaha.J!2c3b(Yaha.J)
・W32/Yaha.J!f871(Yaha.K)
・W32/Yaha.J!5fd9(Yaha.L)

 名称のなかの「!」以下4ケタの16進コードが,ベンダー固有のコメントである。

 またMessageLabs社は同日,同ウイルスの亜種である「W32/Yaha.K」に関する情報を公開した(発表資料)。2002年12月21日に検出され,これまでの検出件数は7万8400件に達している。

 なお米McAfee.comは,W32/Yaha.kの危険度を「中(Medium)」としている。電子メールを使って感染し,さまざまサブジェクト,添付ファイル名,本文を使うほか,メールの送信者を偽装するという。同社はWWWサイトに詳細情報や駆除方法を掲載している。

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[発表資料(MessageLabs社による命名)]
[発表資料(McAfee.com社による詳細情報)]