米Harris Interactiveが米国時間1月3日に,スパム・メッセージなどに関するユーザーの意識調査結果を発表した。同社が米国の成人家庭インターネット・ユーザーを対象に調査を行ったもの。それによると,ユーザーの80%がスパムを「不快」と感じているという。2000年春過ぎに行った同様の調査では「不快」という回答の割合は49%だったので,スパムを嫌うユーザーが大幅に増加したことになる。
スパムに対する抵抗感の影響で,「大量スパム送信の法規制に賛成」とする回答が74%に上り,「法規制に反対」(12%)に比べ圧倒的に多くなった(表4)。なお,法規制に賛成するという回答は,ユーザーの年齢,収入,性別,人種,共和党/民主党支持者によらず,70%から80%あったという。
スパムを不快とするユーザーが急増したのに対し,「必要とする情報が画面に表示されるまで待つこと」と「必要なWWWサイトを見つけるまで時間がかかること」を不快とするユーザーの割合は,前回の調査に比べ減少している(表2)。この理由についてHarris Interactive社では,「技術が進歩し,多くの人々がより高速なインターネット接続を利用するようになったことと,ユーザー自身がインターネットに慣れたことの影響」と説明する。
■表1 各項目に対する「不快/不快でない」と回答したユーザーの割合 不快 非常に やや 不快でない それほど まったく (総数) 不快 不快 (総数) 不快でない 不快でない ------------------------------------------------------------------------------ スパムや 見知らぬところからの 迷惑メールを 受け取ること 96% 80% 16% 4% 3% 1% 正確または 信頼できない WWWサイトから 情報を入手すること 72% 32% 40% 29% 21% 7% 必要とする情報が 画面に表示されるまで 待つこと 52% 17% 35% 48% 30% 18% 必要なWWWサイトを 見つけるまで 時間がかかること 43% 10% 33% 57% 39% 19% コンピュータを正しく 動作させるのに 他者の手助けを 必要とすること 50% 21% 30% 50% 27% 22% ------------------------------------------------------------------------------ 注:四捨五入の影響で,項目によっては「総数」が各回答の合計と一致しない 出典:Harris Interactive社
■表2 各項目を「不快」と回答したユーザーの割合の変化 2000年 2003年 ---------------------------------------------------- スパムや 見知らぬところからの 迷惑メールを 受け取ること 49% 80% 不正確または 信頼できない WWWサイトから 情報を入手すること 35% 32% コンピュータを正しく 動作させるのに 他者の手助けを 必要とすること 18% 21% 必要とする情報が 画面に表示されるまで 待つこと 25% 17% 必要なWWWサイトを 見つけるまで 時間がかかること 20% 10% ---------------------------------------------------- 出典:Harris Interactive社
■表3 特定内容のスパムに対し不快と感じるユーザーの割合 ---------------------------------------- ポルノ 91% ローン 79% 投資 68% 不動産 61% ソフトウエア 41% コンピュータやその他ハードウエア 38% 上記項目はそれほど不快でない 3% ---------------------------------------- 出典:Harris Interactive社
■表4 大量スパム送信の法規制に対する賛否の割合 ---------------------------------------- 大量スパム送信の法規制に賛成 74% 大量スパム送信の法規制に反対 12% わからない 14% ---------------------------------------- 出典:Harris Interactive社
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