米Sun Microsystemsは次世代データ・センター・インフラにサーバーI/O技術InfiniBandを導入する計画を米国時間12月19日,発表した。Sun社は,今後リリースするサーバー/ソフトウエア/ストレージ製品でInfiniBandの採用を予定している。

 「(InfiniBandという)新しい高速な技術は既存環境への組み込みが容易であると同時に,アプリケーションの性能/拡張性/リソース利用効率/管理機能を改善できる。顧客はこうした恩恵を得ることになる」(Sun社)

 InfiniBandアーキテクチャは,サーバー・プラットフォーム用の入出力インタフェース技術。サーバー間の接続を簡素化/高速化し,リモート・ストレージやネットワーク対応機器といったサーバー関連システムとの接続を行うためのもの。接続の簡素化/遅延の低減/帯域幅の拡大/相互接続性の強化という特徴を持つ。リンク速度は2.5Gbpsから30Gbpsあり,Ethernetとファイバ・チャネルを効率よく統合できる設計という。

 なおSun社は,InfiniBandの普及を図る業界団体InfiniBand Trade Association(IBTA)の設立企業の1社で,運営委員会のメンバーも務める。

 同社では,「サーバー・プラットフォーム/アプリケーション環境/スイッチ/ストレージ製品でInfiniBandを利用する計画」としている。「2004年にリリース予定の次世代の水平展開可能なブレード・サーバーでInfiniBandベースのプラットフォームを導入する。さらに,垂直展開向けエンタプライズ・サーバーでの利用も視野に入れている」(同社)

 「当社は次世代データ・センター向けの完全なプラットフォームを提供していく。このプラットフォームは,I/Oアーキテクチャ,リモート・ダイレクト・メモリー・アクセスを使用するシステムおよびネットワーク・プロトコル・インタフェース,N1による管理機能で大幅に強化するSolarisが中心となる」(Sun社ボリューム・システム製品担当上級副社長のNeil Knox氏)

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