米WorldComが米国務省に通信サービスを提供する10年契約を獲得した。WorldCom社が米国時間12月19日に明らかにしたもの。契約規模は最大3億6000万ドルにのぼる。

 「SPECTRUM」と呼ぶ今回の契約のもと,WorldCom社は米国務省が所有する在外機関に高度通信サービスを提供する。私設回線,衛星,IPおよびATMプロトコルなどに関するサービスが含まれる。地方との連絡効率,ネットワーク管理,管理衛星サービスなどの向上と,サポートおよびメンテナンスの強化を図る。また,WorldCom社は米国務省の新たな通信プログラムにおける推奨プロバイダとなる。

 「今回の契約で,安全性と信頼性の高い通信サービスを米国務省に提供することを光栄に思う。我が社のグローバルなネットワークと国際的専門知識を組み合わせ,国務省の在外機関が機能豊富な通信ソリューションを導入し,次の時代に備えることを支援する」(WorldCom社Government Markets部門上級バイス・プレジデントのJerry Edgerton氏)

 WorldCom社が所有するIPバックボーンは100カ国以上をつないでおり,通信速度は最大10Gbps(OC-192)。また同社は,世界数千都市を結ぶ300万以上のダイヤル・ポートとアクセス・ポイントを抱えている。現在75カ所以上の米政府機関にサービスを提供しているという。

 ちなみに,米メディア(InfoWorld)によると,WorldCom社が米連邦破産法11条の適用を申請した7月,同社は米連邦航空局から17億ドル規模の契約を打ち切られている。しかし11月には,米共通役務庁が同社との通信サービス契約を更新し,その際,元同社幹部の2名が政府関連事業から外されている。

◎関連記事
米WorldCom,米証券取引委員会と和解
米ワールドコム,元米HP社長のCapellas氏を会長兼CEOに任命
米ワールドコムが再建への第一歩を踏み出す,7億5000万ドルの融資を裁判所が承認
米ワールドコムが米破産法11条の適用申請
世界経済を揺るがす米ワールドコムとはどんな企業だったのか
【米国最新IT事情】崩壊する米国製グローバル・スタンダード――ワールドコム粉飾決算がトドメを刺す
ついにあの“インターネットの名門”までも――米ISP御三家,最後の1社も窮地に
「目標を上回る好業績,経営再建は順調」,グローバル・クロッシングが月次財務レポートを発表 

[発表資料へ]