ドイツのDeutsche BankとIBMがドイツで現地時間12月18日に,コンピュータ・センターのアウトソーシング契約に署名したことを明らかにした。契約期間は10年,規模は約25億ユーロである。
提携のもと,IBMは各種の技術サービスをDeutsche Bankに提供する。また,Deutsche Bankのリソース,システム,約900人の従業員を2003年第1四半期にIBMへ移管する。
Deutsche BankがIBMに委託するITインフラには,ベルギー,ドイツ,イタリア,ポーランド,ポルトガル,スイス,スペイン,ルクセンブルグのコンピュータ・センターや比較的小規模なサーバー設備が含まれる。IBMは,各国のDeutsche Bankの従業員をそのまま採用する。
またIBMは,ドイツのラインマイン地域に新たなデータ・センターを立ち上げる。同データ・センターでは,セキュリティ機能や遠隔操作機能を構築し,Deutsche Bankや他のIBM顧客に向けた可用性の高いサービスの提供を目指す。
今回の提携により,Deutsche BankはIBMのオンデマンドe-businessサービスを利用する。中核事業のプロセスとシステムを統合し,「急速に変化する金融サービス分野への柔軟な対応を図る」(両社)としている。IBMが提供するソリューションには,自律型コンピューティングの取り組みから生まれた自己管理および自己修復機能などが含まれる。
Deutsche Bankは「10年間で約10億ユーロ(約10億ドル)のコスト削減を見込んでいる」という。「これまで固定額だったコンピュータ・センターの運用コストを,使用分に応じた課金制にすることで,大幅な経費節約が実現できる」(Deutsche Bank CEOのHermann-Josef Lamberti氏)
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