「都市における光ファイバの整備が進み,WAN接続性のラスト・マイル問題がラスト・メートルに短縮されている」。米Yankee Groupが米国時間12月18日に,欧州における都市間のファイバWANに関する調査結果を発表した。欧州では,都市間のファイバWANの配備がほぼ完了しており,ファイバの中継回線網(メトロ・リング)の構築も完了または進行中である。

 個々の都市における投資は,潜在的な需要,インフラ・コスト,競争環境によって異なる。同社が欧州の16都市の査定を行った結果,競争はかなり激しいがマドリッドにもっともチャンスがあるという結果が出た。

 同社が発表した「Metro ROI Case Made to Go the Last Meter」と呼ばれるレポートでは,企業がテナントとして入居しているMTU (Multi Tenant Units)とMDU(Multi-Dwelling Units)と呼ばれる集合住宅向けのファイバの配備コストが,より収益性の高い企業ビルへの提供と同程度だった場合のROI達成の方法を調査している。

 「販売利益はより薄くなっているが,Fastweb,Lyse,Acantho,Coltといった企業は投資家に対して,正確なROIタイムスケールを提示している。注目すべきなのは,これらの企業が,ROI目標を達成していることだ」(同社)

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