英Analysysが英国時間12月18日に,西欧の音声通話市場に関する調査結果を発表した。それによると,価格競争が激しさを増し,2002年に1850億ユーロ(約1898億ドル)である市場規模が2007年には150億ユーロ(約154億ドル)減少して1700億ユーロ(約1745億ドル)規模になるという。

 Analysys社が「価格競争が激化する」というシナリオで同市場の状況を予測したところ,固定通信事業者の売上高は2002年の960億ユーロ(約985億ドル)が2007年に830億ユーロ(約852億ドル)となり,14%減少するという。ただし通信時間は1兆3240億分のまま変化しない。

 一方モバイル通信事業者の売上高は,2002年が890億ユーロ(約913億ドル)であるのに対し,2007年は870億ユーロ(約893億ドル)で2%減。しかし通話時間は2002年の3100億分が2007年には5220億分に達し,69%という大幅な伸びをみせる。

 Analysys社のEddie Murphy氏は「固定回線による音声通話がモバイル回線に移行するのは明らかだ。両者間の価格差がさらに縮まればこの傾向はさらに強まるだろう」とみる。「しかし,固定通信事業者とモバイル通信事業者の双方にとって,是が非でも価格競争を避けることが重要だ。競争が激化すると,音声通話市場全体が価格切り下げに向かってしまう」(同氏)

 なおAnalysys社では,「価格競争が激化する」というシナリオ以外に,「固定回線とモバイル回線の価格差は変化しない」「モバイル通信事業者は固定通信事業者の特定顧客をターゲットする」というシナリオを適用した場合についても,予測を行っている。

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