米Pumatechと日立製作所は,日本企業向けモバイル・ソリューションの共同開発を進めることで合意に達した。Pumatech社が米国時間12月18日に明らかにしたもの。

 この合意により両社は,日立のWindows CE .NET対応PDA「NPD-20JWL Mobile Multimedia Communicator PDA」に,Pumatech社のアプリケーション開発ソフトウエア「Satellite Forms MobileApp Designer」および同期ソフトウエア「Enterprise Intellisync Server」を組み合わせたソリューションを提供する。

 日立のNPD-20JWL Mobile Multimedia Communicator PDAは,IEEE 802.11b対応の無線LAN機能を内蔵し,プロセサは米IntelのPXA250を搭載する。重さは約156g。Windows Media Player,Microsoft Internet Explorer,Windows CE .NETベースのセキュリティ機能,Multi Media Cardに対応している。

 Pumatech社のEnterprise Intellisync Serverはほかのソフトウエアなどを使わずに,デスクトップ・パソコン/サーバー/モバイル機器のあいだでPIMデータ,電子メール,データベース情報の同期を取ることができる。ローカル/リモートのいずれの環境でも利用可能で,モバイル機器用のソフトウエアや機器自体を,遠隔地から集中管理する機能も備える。

 またSatellite Forms MobileApp Designerは,PDA用アプリケーションの開発プラットフォーム。「デスクトップ・パソコンやサーバーのデータベース内にあるミッション・クリティカルな情報を,PDAからアクセス可能とする」(Pumatech社)

 両社のソリューションを利用することで,日立のシステム・インテグレータは,Satellite Forms MobileApp Designerを使ってNPD-20JWLで動作するカスタム・アプリケーションを開発できるようになり,付加価値を作り出せる,としている。

 Satellite Formsで作成したアプリケーションは,Enterprise Intellisync Serverを使うことで,ローカルまたはリモート接続を介して企業のさまざまなデータベースと統合できる。さらにEnterprise Intellisync Serverには,日立製PDAと米MicrosoftのExchangeや米IBMのLotus Notesとのあいだで,電子メールとPIMデータを同期する機能も備えている。

 「当社のMobile Multimedia Communicator PDAに,Pumatech社のSatellite FormsとEnterprise Intellisync Server softwareを組み合わせることで,いつでもどこでも企業内の情報にアクセスできる総合ソリューションの提供が可能となる」(日立モバイル端末事業部事業部長の松岡繁氏)

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