米SanDiskが米国時間12月17日に,フラッシュ・メモリーの生産量を増やす計画について発表した。それによると,東芝と共同設立した半導体製造会社フラッシュビジョンの生産能力を増強することで,今後予想される需要増加に対応するという。

 フラッシュビジョンは,SanDisk社と東芝が50%ずつ出資して2000年5月に設立したジョイント・ベンチャ。設立当初の社名は米Flash Vision LLC。バージニア州マナッサスにある東芝の半導体製造拠点Dominion semiconductor社の敷地内で,160nmルールNANDフラッシュ・メモリーを製造していた。2002年4月に三重県四日市市にある東芝の工場内に移転し,社名をフラッシュビジョンに変更した。現在四日市の工場では,製造プロセスを130nmルールに微細化する移行作業を進めているという。「こうした取り組みにより,フラッシュ・メモリーの供給量を大幅に増やし,現在および近い将来の需要量に対応できる」(SanDisk社)

 しかしSanDisk社では,「今後数年のあいだ当社製品に対する需要が増え続けるので,現在利用可能な調達源をすべて使っても供給不足になる可能性がある」と予測する。そのため,90nmルールNANDフラッシュ・メモリーの生産量を増やす必要があるという。そこでSanDisk社と東芝は,2003年および2004年にフラッシュビジョンのNANDフラッシュ・メモリー生産ラインを拡張し,200mmウエーハによる生産を増加させる計画を立てている。

 さらにSanDisk社は,「2005年または2006年以降は,四日市工場を拡張しても200mmウエーハ・NANDフラッシュ・メモリーの需要に追いつかない」とみる。これに対応するためSanDisk社と東芝は,2006年から300mmウエーハに対応する方向で検討を進めている。「具体的な計画は2003年中に東芝と合意できるだろう」(SanDisk社)

 フラッシュビジョンの設備を増強する計画に加え,SanDisk社は,フラッシュ・メモリーの調達会社を増やすことについても明らかにした。その内容は以下の通り。「現在SanDisk社は,主にフラッシュビジョンからフラッシュ・メモリー用ウエーハの供給を受けている。今後は長期的な供給契約を結び,日立製作所と韓国のSamsungからもフラッシュ・メモリーを購入する」(SanDisk社)

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