米iPassはノート・パソコンの無線インターネット接続に関して米Intelと複数年の提携を結んだことを米国時間12月16日,明らかにした。Intel社のノート・パソコン向けCPUプラットフォーム「Banias」(開発コード名)を搭載したノート・パソコンを視野に入れる。

 Baniasの特徴は,「ノート・パソコン向け低消費電力と高性能の両立」(Intel社)。「Advanced Branch Prediction」「Micro-Op Fusion」「Power Optimized Processor System Bus」「Dedicated Stack Manager」の4技術により実現を図る。また,Baniasではデュアル・バンドの無線接続機能を組み込む。IEEE802.11aとIEEE802.11bに対応し,それぞれ54Mbpsと11Mbpsの無線通信を利用可能にする。

 iPass社とIntel社による協力体制の第1段階として,Baniasベースのノート・パソコンを使った簡単で手軽な無線インターネット接続の実現に取り組む。両社は,iPass社のクライアント・ソフトウエア「iPassConnect」の将来版とIntel社の無線LANカードを搭載したBaniasベースのノート・パソコンにおける相互接続性の確立を図る。

 「Wi-Fiの普及には多くの障害がある。IT部門は,データ伝送におけるセキュリティ,Wi-Fi装置の購入費用,トレーニング・コストなどを懸念している。最新のセキュリティ標準規格を取り入れたIntel社のWi-Fi対応デバイスとiPass社のクライアント・ソフトウエアを組み合わせて,こうした問題の克服を図る。Wi-Fiユーザーがダイヤルアップのように簡単にインターネットに接続し,広帯域接続の速度と効果を得られるようにする」(iPass社社長兼CEOのKen Denman氏)

 なおDenman氏によると,両社はすでに共同作業を開始しているという。

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