オランダのRoyal Philips Electronicsはパソコンや民生電子機器の音質を高める技術「Sound Agent 2」を米国時間12月16日,発表した。「精巧なアルゴリズムを用いて,音源と再生環境という2つの要素に従ってサウンドを解析し,総合的な高音質に最適化する。とりわけ,MP3のように圧縮する手法を用いるファイル再生に効果を発揮する」(Philips社)という。

 Sound Agent 2は,装置(パソコンやメディア・サーバーなど),ファイル・タイプ(MP3,WAV,DVD,ゲームなど),環境(ヘッドフォンやスピーカ・システムなど)をもとに,使用中のエンターテインメントの“最適な変数”を自動的に検出する。これにより,ゲーム・プレイやMP3デジタル・オーディオの視聴などで,ユーザーが最適な音質を楽しめるとしている。各種サウンドの設定と調整には,グラフィカルなソフトウエア・インタフェースを用意する。

 Sound Agent 2の主な特徴は以下の通り。

・「Intelligent Media Processing(IMP)」:Philips社のソフトウエア・アーキテクチャ。入力サウンドのタイプを監視し,出力に応じてレンダリングを行う。

・3Dビジュアライゼーション:QSound Labs社がSound Agent 2用に開発した技術を利用し,ヘッドフォン,ステレオ・スピーカおよびマルチチャネル・スピーカ・システムを使った環境での優れたオーディオを提供する。

・5.1チャネル・サラウンド:CD,MP3,パソコン・ゲームから得た音源を6チャネルのフル・サラウンド・サウンドに変換する。QSound Labs社の「QMSS5.1」技術を用いる。

・「QSizzle」および「QRumble」:高音成分を自動的に調整し,MP3ファイルをオリジナルの音質で再生する技術。

・仮想5.1チャネル・サラウンド:「QSurround」技術を使って,5.1チャネルのDVDサウンドをステレオ・スピーカでサラウンド・サウンドとして楽しめるようにする。

 Sound Agent 2技術はPhilips社のパソコン用サウンド・カード「Dynamic Edge 4.1」と「Sonic Edge 5.1」に組み込む。

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