米Linux NetworXはLinuxクラスタリング・ソリューションの強化を図るため,米Hewlett-Packard(HP)と提携した。Linux NetworX社が米国時間12月11日に明らかにしたもの。

 Linuxクラスタリングとは,Linuxベースのコンピュータを複数接続し,単一の強力なコンピュータ・システムを構築する手法である。HP社とLinux NetworX社は,いずれも数テラFLOPS(毎秒数兆回の浮動小数点演算を処理可能)クラスのLinuxクラスタ・システムの設計/構築経験があるという。

 この提携によりHP社は,Linux NetworX社のLinuxクラスタ管理ソフトウエア「ClusterWorX」を顧客に提供する。一方Linux NetworX社は,Itanium 2プロセサ・ベースのHP社製Linuxサーバーの販売を行う。なお同社は,Linuxクラスタリング・ソリューション「Evolocity」の提供も継続する。

 Linux NetworX社との提携について,HP社業界標準サーバー部門ワールドワイドLinux担当ディレクタのJudy Chavis氏は以下のように説明する。「Linux NetworX社のClusterWorXという優れたソフトウエアに,当社のItanimu 2ベースのシステムや業界標準の『ProLiant』製品系列サーバーを組み合わせることで,(Linuxクラスタリングを利用する際の)作業を簡素化し,所有コストを削減できる」

 「ClusterWorXのような包括的なLinuxクラスタリング・ツールを高性能コンピューティング(HPC)業界に広めることで,Linuxクラスタの導入がますます多くなるだろう。この業界を一変させる技術を利用するに当たり,もはやLinuxやクラスタリングの専門家は必要ない」(Linux NetworX社社長兼CEOのStephen Hill氏)

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