米Sprintが米国時間12月11日に,組織再編とそれに伴う人員削減計画について発表した。それによると,複数の部門に共通して存在するネットワーク/IT/会計組織を統合することで経費削減を図るとともに,合計で約2100名の従業員を解雇するという。

 組織再編計画の具体的な内容は以下の通り。

・Global Markets部門とPCS部門内にあるネットワーク組織を,Local Telecommunications部門のプランニング&データ・オペレーション組織に統合する

・各部門に存在するIT組織を一つにまとめる

・各部門に存在する会計組織を一つにまとめる

 Sprint社では,「この組織統合を実行することで,重複して存在していたシステムを排除し,業務の合理化/標準化を進められる」と説明する。なお再編計画に伴い,今後12カ月かけて約1000名の人員削減を進める予定である

 さらに同社では,コスト構造を強化する取り組みの一環として,今回統合する組織以外を対象に約1100名の人員削減も計画している。

 同社は,人員削減などの効果により2002年第4四半期の支出を約8500万ドル(税引き前)削減できると見込む。さらに計画を完全に実施することで,年間約1億4500万ドルの経費削減になると予測する。

 なお同社は,7月にGlobal Markets部門で1200人の人員削減計画を発表している。

 また米メディアの報道(InfoWorld)によると,Sprint社はこれまで2001年に1万3000人,2002年11月に1600人の人員削減を実施したという。ちなみに現在計画中の2100人という削減予定人数は,同社の従業員数約7万5000人の約2.8%に相当する。

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