米IDCは米国時間12月10日,セキュリティ製品市場に関する調査結果を発表した。それによると,セキュリティ・ソフトウエアの導入とインストールを簡単に行えるセキュリティ・アプライアンスの人気が高まっているという。セキュリティ・アプライアンスがセキュリティ製品市場で占める割合は,今後ますます拡大する見通しだ。

 IDC,Security Productsサービス部門リサーチ・マネージャのCharles Kolodgy氏は,「セキュリティ・アプライアンス市場は急成長を遂げている。他の市場が低調だった2001年も,セキュリティ・アプライアンスは堅調な伸びをみせた」と説明した。「同市場はさまざまな製品に対する需要が旺盛で,参入が比較的容易なことから,新たなベンダーが次々と姿を現し,当分は競争が続くだろう。またソフトウエア・ベンダーは市場が拡大するにつれ,製品を提供する新たな機会を見出すようになる」と予測した。

 カテゴリ別にみると,2001年のファイアウォールおよびVPN分野は,前年比34%増と健全な成長を遂げた。また,ベンダーの売上高は10億ドルを上回った。これは主として,消費者市場の伸びによるところが大きい。2001年は一般ユーザー向けのルーターが数多く登場し,消費者市場が前年比200%以上の成長を遂げた。

 また2001年のNIDS(ネットワーク型侵入検知システム)分野は前年比62%増と,ファイアウオールおよびVPNをはるかに凌ぐ成長率で拡大した。WWW侵入検知アプリケーションやクライアント不要のリモート・アクセス・アプリケーションなどを搭載した“その他”のセキュリティ・アプライアンスは,ベンダーの売上高が少なくとも推定3200万ドルに達した。

 IDCによると,ソフトウエアとハードウエアを統合したセキュリティ・アプライアンスは,社内で導入しているセキュリティ・プログラムと一貫性を持たせる必要があるという。このため,「ベンダーのソフトウエアが既存のアプライアンスに適していないのであれば,ソフトウエアまで含めて完全なソリューションを提供できるベンダーを検討した方がよい」(同社)。

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