民生電子機器向け次世代デジタル・インタフェース仕様「High Definition Multimedia Interface(HDMI)」の策定を進める業界団体の設立メンバー7社が,「HDMI 1.0」仕様の最終版を発表した。米Silicon Imageが米国時間12月9日に明らかにしたもの。

 同団体は,Silicon Image社のほか,日立製作所,松下電器産業,ソニー,東芝,オランダのRoyal Philips Electronics,フランスのThomson Multimediaが2002年4月に結成した。

 「HDMI 1.0のリリースにより,民生電子機器メーカーにおけるHDMI対応製品の開発と市場投入が進み,かつてないほど優れた高画質コンテンツの新時代が到来するだろう」(7社)

 HDMIはDVI(Digital Visual Interface)をベースにしており,デジタル・テレビ,DVDプレーヤ,セットトップ・ボックスや,その他のデジタルAV製品での利用を想定する。高解像度ビデオとマルチチャネル・オーディオを,圧縮せずにクオリティを維持したままデジタル形式で転送する。データ伝送速度は最大5Gbps。オーディオとビデオを1本のケーブルにのせるため,既存のアナログ方式のAVケーブルのような煩わしさがない。HDMIでは,デジタル・カムコーダなどに適した小型のコネクタを使用する。また,家電製品の業界団体Consumer Electronics Association(CEA)の標準規格EIA/CEA-861xに対応する。

 なお,米20th Century Foxや米Universal Studiosといった大手映画会社,米DIRECTVや米EchoStarなどの衛星放送事業者をはじめ,多くのケーブル事業者や民生電子機器メーカーがHDMI仕様のサポートを表明しているという。

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