米QUALCOMMが米国時間12月4日に,中国の大手無線サービス通信事業者China United Telecommunications(China Unicom)とジョイント・ベンチャ設立で提携を結んだことを明らかにした。中国における開発者コミュニティの育成とQUALCOMM社の「Binary Runtime Environment for Wireless(BREW)」プラットフォームの発展を目的とする。

 提携のもと,China Unicom社とQUALCOMM社は共同で中国のアプリケーション開発者に技術サポートとトレーニングを提供し,「CDMAの普及とBREWの利用増加を図る」(両社)。開発者は両社のジョイント・ベンチャを通じて,BREW関連のトレーニングやガイダンスに参加し,自身が作成したアプリケーションをBREW市場に投入する手法を学ぶことができる。

 「両社の無線に関するノウハウと中国BREWコミュニティへの取り組みが,無線データ利用やCDMA2000 1Xネットワークの普及に建設的な影響を与えるだろう」(China Unicom社)

 BREWプラットフォームは無線機器用のアプリケーション実行環境で,無線アプリケーション開発,機器設定,アプリケーション配信,課金,支払いなどを行える。BREWソリューションは,開発者向けの「BREW Software Development Kit(SDK)」,機器メーカー向けのアプリケーション・プラットフォームと移植ツール,キャリアが利用する「BREW Distribution System(BDS)」で構成する。米Verizon Wirelessと米ALLTELが米国で,韓国のKorea Telecom Freetel(KTF)が韓国で,KDDIが日本でBREW対応サービスを展開している。また,米U.S. Cellularがトライアル・サービスを開始しており,China Unicom社もサービス提供を計画しているという。

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