米Red Hatが米国時間12月3日に,大規模企業向けのワークステーション用Linuxディストリビューションを発表した。

 同社の「Red Hat Linux Advanced Server」との組み合わせを想定する。「企業は同じ技術を基礎としたサーバー/クライアント・ソリューションを導入できる。同種の技術で構築した環境は,迅速な実装,共通アプリケーションのサポート,システム管理の簡素化が可能なため,コストの削減につながる」(Red Hat社)

 ワークステーション用Linuxディストリビューションは,Red Hat Linux Advanced Serverと組み合わせて,Electronic Design Automation(EDA)やDigital Content Creation(DCC)といった分野での利用を視野に入れる。2003会計年度第1四半期にリリースする予定である。

 また同社は,Red Hat Linux Advanced Serverの機能拡張について同日明らかにした。「通信事業者が新たなサービスを構築および導入するためのニーズに対応する。標準規格ベースのモジュラ型通信プラットフォームへの移行を促す」(Red Hat社)としている。

 機能拡張の主な内容には,アプリケーション性能の強化,POSIXスレッディングのサポート,システムの反応速度向上,高度デバッギングとシステム解析などが含まれる。

 標準規格策定団体OSDL Carrier Grade Linux Working Groupが提唱するリコメンデーションに従って機能拡張を実施する。なお同団体には,Red Hat社のほか,米Intel,米IBM,米Hewlett-Packard(HP)などが参加している。

 機能拡張したRed Hat Linux Advanced Serverは,2003年半ばにリリースする。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]