スマート・カードを使って,Wi-Fi(IEEE 802.11b)ネットワークへアクセスする際の標準技術の策定に取り組むコンソーシアム「Wi-Fi Smart Card Consortium」が誕生する。フランスの国立機関INRIA(国立コンピュータサイエンス/コントロール研究所),フランスSchlumberger傘下の米SchlumbergerSema, 米Cisco Sytemsなどが主導で立ち上げる。Wi-Fi Smart Card Consortiumが現地時間12月3日に明らかにしたもの。

 Wi-Fiネットワークの最大の魅力は移動性の向上である。無線LANアクセス・サービスを利用できる地点の数は今後数年間に,数百万カ所に達すると予測されている。しかしその一方で,セキュリティに対する懸念が普及の足かせとなっているのが現状。

 Wi-Fi Smart Card Consortiumは,既存の標準技術を使って,Wi-Fiネットワークへアクセスするための新たな仕様を策定する。これにより,セキュリティ機能,プライバシ保護機能,サービス品質,ローミング環境,利便性などを向上させる。

 Wi-Fi Smart Card Consortiumの暫定代表には,SchlumbergerSema社のBertrand du Castel氏が就任する。また,ビジネス担当暫定会長にはCisco社のChristophe Servais氏が,科学担当暫定会長にはフランスUcopiaのGuy Pujolle氏が,書記長にはINRIAのLaurent Kott氏が就く。

 「スマート・カードによって,セキュリティやローミングはもちろん,カスタム化した一連のサービスを提供できるようになれば,世界規模のWi-Fiネットワークが実現する」(Castel氏)

 同コンソーシアムは2003年2月4~5日にパリで総会を開いてメンバー企業・団体を募る予定。総会初日に憲章に同意して署名した企業は創設メンバーとして承認されることになる。

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