フィンランドのNokiaとイタリアのVodafone Omnitelが,第3世代(3G)のWCDMAネットワークと第2世代(2G)のGSMネットワーク間で,音声通話のハンド・オーバーに成功した。Nokia社が現地時間11月29日に明らかにしたもの。
ハンド・オーバーの試験は,携帯電話機「Nokia 6650」とVodafone Omnitel社の既存のGSMおよびWCDMAインフラを使い,イタリアで行った。なおVodafone Omnitel社のインフラはNokia社が供給したものという。
イタリア全土でこうした2G/3Gのシステム間ハンド・オーバー(ISHO)を実施できるようにするため,両社は現在Vodafone Omnitel社のGSMネットワークのアップグレードや試験作業を進めている。
ハンド・オーバーに成功したことの意義について,Nokia社は以下のように説明する。「当社とVodafone Omnitel社が実施したような3Gから2Gへのハンド・オーバーは,WCDMA導入の初期段階において特に意義深い。というのも,WCDMA導入はまだ早い段階にあり,GSMサービスと違って“どこでも利用できる”という状態ではないからだ」
「周囲の2G GSMネットワークへのハンド・オーバーが確実に行えるようになると,通信事業者はWCDMAのサービス・エリアから出てしまったユーザーに対して,通話中であってもシームレスなサービスを提供できるようになる」(同社)
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