「消費者の多くは,パソコンが家庭における中枢部の役割を果たすようになったと考えている」─。米Microsoftが米国11月25日に,米Harris Interactiveが行った調査結果を引用するかたちで発表した。それによると,「家庭にある技術製品で最も重要なのはコンピュータ」とする回答者は,米国で50%,欧州で41%に達した。

 調査は,Harris Interactive社がMicrosoft社と米Dell Computerの依頼を受け,2002年8~9月にかけて実施したもの。コンピュータやデジタル製品を使用する成人(18歳以上)1500人を対象に,電話によるアンケートを6カ国で行った。1500人の内訳は米国ユーザーが1000人,フランス,ドイツ,イタリア,スペイン,英国のユーザーが各100人である。

 今回の調査で,若い年齢層の方がパソコンを重要視していることが明らかになった。「家庭にある技術製品でコンピュータが最も重要」と回答した米国人は,18~34歳で57%,35~49歳で48%,50歳以上で44%だった。

 Dell社U.S. Consumer Business部門担当副社長兼ジェネラル・マネージャのJohn Hamlin氏は,「消費者の行動に大きな変化が起こっている。生活様式がデジタル化されたことから,コンピュータが家庭の中枢になりつつある。消費者は,デジタル・ビデオの編集や電子メールを使ったコミュニケーションなど,娯楽や利便性の向上にデジタル技術を利用している」と説明した。

 消費者は,コンピュータを使いこなすことにより,他のデジタル製品に対する自信も深めている。「コンピュータに慣れることで,他の技術に対する自信がついた」とする回答者は米国で84%,欧州では69%に達した。

 技術に対する“苦手意識”がなくなりつつあることが,コンピュータ以外のデジタル製品の購入を後押ししている。「今年のホリデー・シーズン中に新しいデジタル製品を購入する予定」の回答者は米国で約70%,欧州で52%だった。

 消費者はデジタル・カメラ,CD-RW,デジタル・ビデオ・レコーダなど,パソコンの機能を拡張するデジタル製品を積極的に利用しつつある。またコンピュータを使って,テレビ,ステレオ,セキュリティ・システムの操作を行ったり,食料品の注文などを行うユーザーも増えている。米国ユーザーの72%,欧州ユーザーの69%が,「コンピュータを将来,日常生活のさまざまな場面で利用する」と回答しており,この傾向は今後一層強まる見通しだ。

 また,インターネットが職場から家庭へと着実に浸透するにつれ,人々がオンラインで過ごす時間も増えている。米国では,1週間当たりのネット・サーフィン時間が「6時間を超える」とする回答者が50%に達しており,「11時間を超える」回答者は28%にのぼった。なおこれには,電子メールでやり取りを行う時間は含まれていない。

 Hamlin氏は,「消費者にとって,デスクトップ・パソコン,ノート・パソコン,携帯電話やハンドヘルド・デバイスなどは,ごく日常的なデジタル製品となった」と指摘し,「今後,技術は台所や車内,家庭のエンタテインメント・システムなど,新しい分野に進出する」と予測した。

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