英Reutersがアイルランドで現地時間11月21日,米Medialink Worldwideのビデオ・コンテンツ追跡サービス「Teletrax」の導入地域を拡大することを明らかにした。

 Teletraxは透かし技術を用いて,地上波,ケーブル回線,衛星を介して世界中で配信されるビデオ・コンテンツを常時追跡するサービスである。Teletraxを用いて,ビデオ・コンテンツ所有者がビデオを編集,放送,複製する際に電子透かしを埋め込むと,世界中のデコーダが透かしを検知し,追跡レポートをコンテンツ所有者に発信する。このシステムにより,コンテンツ所有者はパフォーマンスを検証し,著作権侵害の有無を確認できる。

 Reuters社Television Managing DirectorのTony Donovan氏は,「約半年間使ってみて,Teletraxの価値を認識した。Teletraxにより,顧客のニーズを科学的に把握することができる。どの記事が重要視され,利用されているか,明確に知ることが可能だ」と述べた。

 Reuters社は4月にTeletrax導入の契約を結んだ。世界中の放送コンテンツを対象にした導入を進め,現在では英国,フランス,ドイツ,スペイン,イタリア,スウェーデン,オランダ,ポルトガル,ベルギー,スイスのほか,米国の主要10市場で利用している。

 Reuters社は今後,米国での導入を主要25市場に拡大する計画である。また,世界の他の地域も視野に入れる。

 ちなみに,欧州放送連盟(European Broadcasting Union)がTeletraxを導入する計画を2002年10月に発表している。

◎関連記事
「企業は不適切なコンテンツ管理システムに費用をかけすぎている」,米ジュピターの調査
「コンテンツ管理市場は2003年まで整理統合が進み,2004年には100億ドル規模」,米調査より
「リッチ・メディア資産管理市場は2006年までに15億ドル規模に成長」,米IDCの調査
米マイクロソフトが「Content Management Server 2002」発表へ。年末までに一般発売
米IBMが企業向けデジタル・コンテンツ管理ソフトの新版「Content Managerバージョン8」を発表
米IBMがデジタル・メディア管理/配信の枠組み「Digital Media Factory」を発表
「2007年の米国DRM市場は2001年の約3倍の8億6400万ドル規模へ」,米企業の調査
「DRM技術を巡り,ハイテク業界とコンテンツ開発業界が対立」,米In-Stat/MDRの調査

[発表資料へ]