米Novellは2002年8月~10月期(2002会計年度第4四半期)と同会計年度通期の決算を米国時間11月21日に発表した。同第4四半期の売上高は3億ドルで,前年同期の3億1600万ドルと比べて減収。土地資産の減価償却やベンチャー投資などにかかった一時的な非現金費用1億900万ドルを含めた損失は9167万ドル,1株当たり損失は25セント。前年同期の同じ条件の損益は9451万ドルの赤字(1株当たり損失は26セント)だった。

 一時的な費用を除いた場合の第4四半期の利益は1490万ドル,1株当たり利益は4セントとなる。この場合,前年同期の同じ条件の損益は705万ドルの黒字(1株当たり利益は2セント)である。

 「第4四半期,Novell社の業績は予想以上に向上した。これには主に3つの要因がある。それは,(1)新たなインターネット・アイデンティティ管理製品,(2)コンサルティング事業の安定,(3)大規模ネットワーク向けサイト・ライセンス収入の伸び」(Novell社会長兼CEOのJack L. Messman氏)

 2002会計年度通期の売上高は11億3400万ドルで,前年度の10億5000万ドルから増収となった。一時的な費用を含めた損益は2億4680万ドルの赤字,1株当たり損失は68セントとなる。前年度は2億7280万ドルの赤字(1株当たり損失は82セント)だった。

 なお一時的費用を含めない場合は,4486万ドルの黒字(1株当たり利益12セント)となる。前年度の同じ条件の利益は1658万ドル(1株当たり利益5セント)だった。

 Novell社は今後の見通しについても明らかにした。2002年11月~2003年1月期(2003会計年度第1四半期)の売上高は,前期に比べ6%程度減少する見込み。同社では「通常の季節的パターン」と説明する。しかしこれにより第1四半期は「収支トントンを若干上回る程度になる」(同社)という。

 2003会計年度通期については,売上高が前年に比べ5%増となる見込み。第1四半期以降は売上高,利益とも順調に伸びていくという。

<Novell社関連>
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<企業業績関連>
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